Web制作会社の辛いところや悩みについて | KonNotes

Web制作会社の辛いところや悩みについて

ひとりごと
ひとりごと

はじめに

筆者の簡単な経歴として

Web業界に入って2025年で8年目になります。

大学生時代に東京のWebプロモーションの会社のインターンに参加させていただき、そこでWebデザイナーという職種があることを知りました。

大学卒業後の進路は関東に残るか、実家がある東北へUターンするか迷っていたのですが、「インターネットとPCがあればどこでも働ける」という働き方に大きな魅力を持ちました。

大学卒業後、鎌倉にあるWeb制作会社でコーダーとして勤務し、2回の転職を経て現在横浜にあるWeb制作会社でフロントエンドエンジニアとして主にWordPressの構築や、たまにお客様との間に入ってのディレクション業務なんかをしています。

「エンジニア」といったら聞こえはいいですが、日々インターネット上の先人の残してくれたコードや備忘録に助けてもらって、なんとか仕事にできているというのが現時点での感想です。

どの業界でもつらいこと、大変なことは多々あると思います。

この記事では8年間この業界にいて大変なことを書き出して、今後仕事しやすいように整理をするという意味でもアウトプットしておこうと思います。

細かいところを挙げればキリがないので大きな括りで書き残し、思い出したら加筆します。また、Web制作の中でもコーディングやディレクションの話題が大半になります。

お客様とのやりとり

制作会社勤務である以上、自分達のスキルを必要としてくれるお客様がいて仕事になり、対価としてお給料をいただくことになります。

依頼をしていただけるだけでありがたいとも思う反面、ITリテラシーに乏しい方やお互いのスケジュール感覚に大きな乖離がある方も中にはいらっしゃいます。

特にスケジュールの感覚については、先方も時間のない中で依頼して早く納品を求めたい気持ちがあるのは十分に理解できるのですが、会社に属する会社員である以上その仕事だけに注力することは難しい場合もあります。

ボリュームのある案件や公開日をずらせない案件の納期が複数重なったりすると残業は免れず、時として休日や深夜作業にも対応せざるを得ない場面もあります。

お客様や仕事量をコントロールしてくれる極めて優秀なディレクターがいれば解決できることも多いのですが、規模の小さい制作会社だとエンジニアやデザイナーがそのディレクション業務を担うことも多いです。ディレクション業務をメインにやっていない以上、コントロールし切ることは難しくそれがメインの仕事のリソース圧迫になるのは多々あります。

お客様が神様に見えるか悪魔に見えるか、戦々恐々としながら日々過ごしています。

上流工程に関与するべきか

規模が大きく各ポジションが充実している現場であればあまりないかと思いますが、小さな制作会社だとデザイナーやコーダーがディレクションに関わることも少なくありません。(むしろ多いかも?)

例えばWebサイトの構成作成の段階でエンジニアが入り、実装可能 or 不可能の判断やおおよその工数を共有できるのはデザイナーやお客様にとっても大きなメリットです。

しかしその分少なくない時間のリソースをそちらに割くことになったり、デザイナーのデザインの幅に制限をかけてしまう可能性を孕んでいることがデメリットかも知れません。

下流工程担当が上流工程に入ることのメリットとデメリットのバランスが難しいです。

時代の流れが早い

他の言語がどうか知見がないのですが、フロントエンドエンジニアがカバーするhtmlやphp、cssやjs、それらを効率よく使うバンドルツールなどは日々新しい記述方法やプロパティなんかが増えています。

どの案件にも対応できるようなテンプレートを作成したはいいものの、それが数ヶ月後には古めかしいものになっていることもあるかも知れません。

また、流れが早い一例としてWordPressのプラグインのバグ情報なんかもあります。一次情報が英語で、日本語になって情報をキャッチするのは数ヶ月後なんてこともあり得ます。

日々最新の情報を取り入れ、手元の環境をアップデートするの新しいものが好きな性格の方であれば、少なくともフロントエンドエンジニアに向いていると言えると思います。

AIの進歩

イメージしている画像の説明を打ち込んだらそれに近しいものが高クオリティで出力されたり、対話形式でWebサイトを構築できたりするツールもあり、AIの進歩は目覚ましいです。

使っているユーザーはいいことだらけですが、Web制作会社勤務社にとっては仕事を奪われる可能性があり、単にデザインができる、コーディングができるという人は今後必要とされなくなる未来が見えてしまいます。

ただ、「お客様のご要望を的確に掘り出す対話術や良好な顧客関係構築」「お客様からの要望とデザイナーからの提案をミックスさせたデザイン」「お客様に合わせた操作性や保守性を担保したコーディング」など、AIではできないことや難しいことはまだまだたくさんあるはずです。(これらも可能になるかも知れませんが)

AIを敵と見るのではなく、AIと共存し上手く利用していく人材が今後生き残れると思います。

リモート勤務の是非

Web業界は他と比較してもリモート勤務しやすいです。

コロナ禍をきっかけに、多くの企業がリモート勤務を推進しました。

通勤時間がなくなることで、自分や家族のために使える時間が多くなるのはとてもいいことです。

ただ、弊害も少なからず存在します。

例として、たまにカフェやファミレスでPCを開いて仕事をしている方を見かけますが、仕事をしていれば自然に顧客情報やログイン情報なんかをPCに入れていますので、第三者の目や耳ある場所でPCを開いたり大きな声で仕事の話はできません。

ショルダーハッキングやそもそもデバイスを盗まれる可能性もあるとなると、安全なのは自宅での作業となりますが、もしペットや子どもがいたりすると部屋を分けなければまともに仕事なんてできません。

また、デザインを見ながらコーディングをする際は画面が複数あった方が効率よく、デスク環境も自ずとこだわりが発生することになるでしょう。Web制作の仕事内容の大半はPCとインターネット環境があれば仕事はできますが、より効率よく快適に仕事するためには出社した方がいい場合もあります。

ちなみに、筆者は子どもが生まれる前まではリモート推進派閥にいましたが、前述の理由で現在では出社メイン派閥です。

朝の通勤ラッシュは憂鬱ですが、ふとした時にデザイナーに確認して即レスをもらったり、同僚と雑談する時間や一緒にお昼休憩をいただくことも会社員としては大切な時間です。

(弊社は出社メインですが、自身の都合でリモートと出社を柔軟に切り替えられるのでとても助かっています)

独立も可能だけど

誰からも指図されず、自由に働ければそれは独立したほうがいいです。

筆者は大学在学中に社会人向けのスクールに通って、illustratorやphotoshophtmlやcssやjsの基礎を学び、新卒フリーランスを夢見ていた頃もありました。

ただ、

  • adobeの契約料金めっちゃ高い
  • 税金高い
  • 確定申告めんどくさい
  • 気軽に相談できる人がいない
  • 営業もしなくてはいけない

といった様々な現実があります。

他の業界と比較して独立しやすいとは思いますが、その分上手くいかずに廃業される方も多いはずです。

自分がしたくない仕事やモチベーションが湧かない仕事もしなくてはならないのが会社員ですが、その分いろんな経験をできたり、雑務を会社がやってくれると思ったら筆者は会社員の方が気楽だと思ってしまいます。

ひとりでは何もできない

この仕事をしていると、自分ひとりでできることは少ないと実感する毎日です。

  • 弊社はこんなことができますよという営業
  • お客様のご要望をまとめ納品まで調整するディレクター
  • Webサイトをリッチにするための写真や動画を撮影するカメラマン
  • 構想のWebサイトをビジュアルにするデザイナー
  • 実装するエンジニア

など、どこかひとつでもかければその案件は難航するでしょう。

各職能がいて、お互いに相談できる環境あってこそより良いものが制作できているなと思います。

まとめ

つらつらと書いてしまいましたが、現時点での筆者のWeb業界にいての感想です。

辛いところや悩みだけを書いてしまったので、次は楽しいところやいいところを書いてみようと思います。